58年前の新聞連載小説を出版田宮虎彦「寛永主従記」

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作家田宮虎彦の埋もれかけていた歴史小説が、没後22年を経て明治書院から初めて刊行された。初版5千部を準備したが、図書館を中心に予想以上の注文があり、5千部の増刷もした。 田宮は1940〜50年代を中心に活躍した。歴史小説のほか、映画化された『足摺岬』や、『絵本』のような自伝的小説も発表した。88年、76歳で亡くなった。 刊行されたのは『寛永主従(しゅうじゅう)記』。52年に政党機関紙で連載した。江戸時代に会津藩で起きたお家騒動が題材。藩主をいさめようとして過酷な運命を歩んだ忠臣堀主水(もんど)を通じ、封建制下で生きる人間の悲壮な姿を描いた。 長年出版されなかった理由を、田宮と親交があった文芸評論家の萩原得司さん(84)は「細部までこだわる人だから、ライフワークとしてもう少し手を入れようと考えていたものの、手が回らなかったのでしょう」と語る。 戦時中に同人誌に書いた別の小説の自筆原稿が2006年に見つかり、田宮再評価の機運が生まれていたことも、出版を後押しした。 税込み価格1890円。

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